2013年12月16日月曜日

ストーカーから我が子を守るには(NHKあさイチ)

http://www1.nhk.or.jp/asaichi/2013/12/16/01.html
サイバー化する、ストーカー犯罪。
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2013年12月6日金曜日

特定秘密保護法がザル法になる理由

なにが秘密になるのか、この特定秘密保護法案では、内閣の閣僚がそれを指定し、その運用を所管官庁の役人がすることになっている。しかし数十万件に及ぶ文書をいちいち確認し指定するとは思えない。実質はその任に当たる役人が秘密を決め、運用されることになる。役人の性として問題を起こしたくない、という心理が働くだろうから、秘密の範囲を出来るだけ拡げて考えようとするだろう。そうなると、秘密指定された内容そのものが拡大し、自己増殖していくことになる。

 企業においても同様に、機密情報というものが存在する。それは他社に漏れると不利益を被る情報を一般的に機密情報として企業が指定している。いや実際は規定している会社は少ないのであって、多くは漫然と機密扱いにしている例が多い。機密指定は産業スパイから企業を守るためのモノであるが、誰がどうやって情報を機密として、秘密扱いにするのか、その運用はどうやって誰が行い、外部に漏れないようにするのか。

 たとえば社長が「これ秘密情報でよろしく」と言えば、次の日から社内では秘密情報になるのだろうか。結論から言えば、それは「ノー」だ。中小企業の社長には「オレが法律だ、秘密と言ったら秘密だ!」と言う人もいそうだが、言葉だけでは秘密にならない。何が秘密情報なのか、明示しないとならないし、社内でしっかり管理されていなければ秘密としての要件を満たさず、法律で保護されないことになっている。

 会社でよくあるのは、「マル秘」「極秘」「厳秘」と言い方はまちまちだが、書類にハンコを押しまくるケースである。これも駄目である。以前はマル秘のハンコが押してある書類は全部秘密という「形式秘説」という考え方だったが、近年は「実質秘説」が主流になっている(裁判所の判決も大方その傾向にある)。
 ところでこういう書類以外に、「今日の会議で出た話はしゃべっちゃ駄目」というようなケースもあるだろう。この場合、会議の主宰者が秘密と言えば、その会議の内容が秘密となってしまうのだろうか。もしそうなら、「秘密だよ、秘密」と言っておけば安心だから、ほとんどの会議は秘密だらけになってしまうだろう。やはりこれも間違っている。

 企業の秘密保護について、それが秘密に当たるかどうかの争いは、裁判所が行うことになっている。
産業スパイとして罰することができるかどうかは、企業側の情報管理が杜撰だと、認められない。
つまり企業の情報管理のあり方そのものが問われることになる。企業がいくらそれが秘密だと考えていても、持ち出した社員が「それは秘密だと思いませんでした。だって誰でも観ることが出来たじゃないですか」と抗弁されれば、裁判所では秘密として認定されず、企業は敗れ去る。

しかしこの特定秘密保護法は、国家対個人の図式であり、個人は国家権力の前にはほとんど無力である。
企業と個人では両者が対等である。第三者機関である裁判所が、司法権で両者の権利を担保している。
しかし、この特定秘密保護法では、裁判所が個人を救えるかというと、難しいのではないか。事実追求の段階で、検察側が「それは秘密だから教えらない」と言えば、弁護側は為す術があるのだろうか。


 個人は公務員であり、ゆえに特定秘密かどうかでなく、それかもしれないと思った瞬間に、口を閉ざすだろう。自らの身を守るために、秘密の拡大解釈が進む。それは秘密が特定の範囲を超えて、自己増殖することを意味する。メディアは取材できなくなり、無力化が一層進み、知らされるべき情報が隠蔽される。
 数年前の尖閣諸島で起きた中国船の体当たり映像を民主党が隠したことを、覚えているだろうか。今度は自民党が行わない保証はどこにもない。
 だからこの法律はマズイし、第三者機関のあり方をしっかり時間をかけて、通すなら通すべきで、この強行採決の状況を観ると、何が何でも進めるのだ、という取り憑かれたような、何か気持ち悪いものを感じる。