2014年7月11日金曜日

ベネッセ個人情報漏えい事件にみる報道姿勢(「流用」と書かれたジャストシステム)

「間違っていませんか?書き方を」  マスコミ記者の方々へ

鬼の首をとったかのような、報道の仕方だけど、やりすぎでしょう、これ。
「ベネッセから漏えいした情報を、流用してDM・・・」
こう書かれると、ジャストシステムが悪いような表現ですね。

マスコミの記者の方には、勉強してほしい。
「流用」は違いないが、この言葉の奥に、故意に、知っていて使った、
という風に聞こえるのですが、みなさんはどう感じますか?

7年前に出版した「間違いだらけの個人情報保護法対策」に書きましたが
名簿屋が不正に取得したと知らないで、買った名簿は「合法」であり
買った企業が責めを負うことはありません。
名簿屋の「文献社」だって、個人情報保護法に違反していれば、とっくに
商売が立ちゆきません。ブラック企業でも何でもない。
但し、ベネッセから漏えいした情報と知っていて転売したり、名簿を
購入して居れば、問題になります。

こうした点がまだ明らかになっていないのに、「流用した」として
報道されれば、ジャストシステムだってたまったものではない。
現に、今日の株価はストップ安をつけています。

マスコミに携わる人間は、自分が書いた記事やTV報道が、どれほど
影響を及ぼすか、よーく考えて仕事しませんか。
私自身も、自戒しながら仕事しないと、と思います。jasutositeumu

ベネッセ最大2000万件の個人情報漏えい事件

ベネッセの2000万件個人情報漏えいは、相当にインパクトがあります。

友人の清水弁護士が、弁護士ドットコムの取材に答えていますね。
情報漏えいしたら、企業は個人にいくら払う必要があるか、気になる人は
読んで見られると良いでしょう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140710-00001767-bengocom-soci

過去の判例から1万円前後(1件当たり)の損害賠償額になりますから
1万円×2000万件=2000億円の計算です。
でも実際はそんな額にはなりません。
一人ひとりが賠償請求訴訟を起こしたら、の仮定の話であって、ごめんなさい料
として、500円の商品券を配るとかで、企業は対応するわけです。

早々と原田新社長は「賠償しない」方針を記者会見で語っていますが、
この対応はマズイんじゃないかと思いますね。
わざわざ初めに言う話ではないし、マスコミの餌食になりそうなコメントです。
うーん、気持ちはわかりますが、この先どう展開するか。

ベネッセコーポレーションは、私が住んでる多摩市にあり、自宅から歩いて
10分もかかりません。市を代表する企業ですから、しっかりしてほしいですが。

10年ほど前、アンダーセンコンサルのご縁で、1年間だけ、あるテーマで
コンサルティングの仕事をこの会社でしていたことがあります。
情報管理については、当時から相当厳重に行われていたし、社員さんからも
聞いてよく知っています。業務に支障が出るくらい、厳重でした。

原田社長が「内部犯行」と言い切っている点、不正競争防止法の話まで
出ている点(内部のものが外部の請託を受けて、情報を持ち出すること。
持ち出した者だけでなく、依頼した企業も罰せられます)からみて、
大体の当たりはついているのかも知れません。

過去の似たような事件でもそうでしたが、アクセス権限のある者が関与して
情報を持ち出す、というのが、一番持ち出されやすい「情報漏えい」です。
企業の経営者は、この点を見落としがちです。



LINE版「オレオレ詐欺」に気をつけろ!


LINEのパスワード乗っとりで、2万円の被害が出ている実例



この前のプレジデントに「パスワードリスト攻撃」の話を書きましたが、
LINEで被害が拡大しています。

フェイスブック友達の黒木さんが自ら「LINE乗っとりにあった一部始終」を
公開されています。金銭被害が具体的なやり取りを通して、紹介されている
貴重なものだと思います。

オレオレ詐欺の電話でのやり取りの、LINE版ですね、これは。